クロノスの旅路反省と考察まとめ
製作時の意図と公開後の結果がどんな感じだったのかまとめておきます。
長いので追記にて。
※拍手コメントありがとうございました。今後も頑張ります。
このゲームで一番特徴的だったシステム(のはず)。
当初はプレイヤーの裁量で装備のパラメータをいじれたら面白そう、というところから出発しました。
ここは狙い通りにいったようで、キャラのパラメータとの関係で命中や会心をどの程度重視するかを考えさせたり、「二刀流のときは命中高めに」「このキャラは回避重視で」などの裁量も効いていい感じでした。
また、固定成長を排除したせいで装備のウエイトが大きくなり、装備変更にともなう変化がダイナミックに感じられる仕上がりになったかなと思います。
また、素材強化を取り入れることで、ある程度自由な冒険の進め方にもバランス調整が効いた印象です。
(いきなり高ランクの装備を手に入れても素材が悪いとそこまで強力な装備にはならず、素材の強さは冒険の進み具合によって変化するため、冒険の進み方と装備の強さをある程度マッチングできました)
ただ、エンチャントシステムはいまいちな部分がありました。
せっかく装備作成するんだから何かしらエンチャントした方が面白い、ということで取り入れましたが、効果がアビリティとかぶっていたため何がエンチャントしてもあまり劇的な変化を実感できず、結果的に影の薄いシステムになってしまった印象でした。
ただまぁ、このゲームのシステム上、ランダムエンチャントの効果をあまり高くするとリセット連打ゲーになってしまいそうだったので、妥協できる点なのかなと思います。
●戦闘システム
戦闘システム自体はRPGとしてはまぁ納得のいく出来でした。
サイドビューで列概念を取り入れ、マス目ごとの範囲判定にすることで、特技や武器に個性を持たせられたかなと思います。
また、SPをほぼ固定パラメータにしたおかげで特技も明らかな必殺技を作ることができ、「どのタイミングで大技を使うべきか」の戦略性を持たせられ、戦闘に派手さや変化を取り入れられたのも良かったです。
しいて言うとすれば、SP固定の性質上、ある特技の価値がどのレベルでも変わらないので、特技自体の成長や変化には欠けるかといった印象でした。もっとも今作は中編で飽きが来る前に本編が終わる程度の長さだったので、この問題はそこまで顕在化しなかったかもしれません。
また、戦闘バランスに関しては…いまだに正解がよくわからないです。
補助技の影が薄くなりがちということで補助特技はかなり優遇したつもりでしたが、やっぱり補助撃ちよりも攻撃で片付けたほうが戦闘が早く済んでしまうため、劣勢感は否めませんでした。補助をコマンドで使わせようという発想自体が間違っているのかもしれません。
回復技については、強すぎるとヒーラーキャラがパーティ加入強制みたいな感じになって面白くないので、主な回復はアイテムに任せ、回復特技自体はかなり弱体化させたバランスで組みました。ここはプレイヤーが面白いと取るかは別として、意図したとおりにはなったかなと思います。
属性について。そもそも属性システムは元々は「全場面で共通の最適解を与えない」とか「武器や特技、キャラの差別化」という意図で導入されることが多いように思います。が、このゲームでは属性がなくてもある程度の差別化は図れていたので、少し蛇足だったような感もあります。可もなく不可もなく。
AIについて。
本作のAIは戦闘テンポの悪さを補うことを目的に取り入れられています。個人的に、ターン制のコマンド戦闘では味方が3~4人以上になると、戦術性の広さ<コマンドを選ぶ面倒くささになってしまう気がするので、そのため。
本当は4人パーティでもコマンド選択が苦にならないくらい面白い戦闘を作れればいいんですが。
総じて戦闘システムは、よく言われるJRPG戦闘の問題点である「全体技連打で済んでしまう」「回復呪文が強すぎ」「補助技の影が薄い」あたりの解決を図って組んだおかげか、ある程度は面白いシステムになったかなと思います。方向性は間違っていないはず。
●特技作成システム
やっぱりやめとけばよかった、と少し後悔しているシステム。
できれば雑魚戦で使える程度の技を作って遊んでほしかったんですが、全体的にボス戦で有利な消費SP無視の超攻撃スキルを作られてしまう傾向があり、バランス崩壊を引き起こしてしまいました。
結局、途中でかなり制限を加えることに。
まぁそれを差し引いても自分で特技を作れるってのはなかなか見ないし単純に面白そうではあるので、ぎりぎり及第点といったところでしょうかね。
●シナリオ
ストーリー自体は正直適当なことこの上ないですが、何かしらシナリオを選択できる自由を作ろうと思ってこのような形になりました。
あえて一周ではすべてのシナリオを見せないようにしたのは、ひとえに周回を促すため。
パーティメンバーを選ぶ余地があるのも、育成戦略が広めなのも二周目のプレイを促すためといってよいです。
正直、自分はフリゲの二周目を遊ぶことはよほどのことがなければないので不安だったんですが、想定していた以上に周回してくれる人が多く、成功した方なのかなと思います。
(本当は引継ぎシステムなんてなくても二周目を遊びたくなるくらい面白くできればそれが理想なんですが。うーん…)
●総評
レビューで書いていただいたりもしていますが、「一味違う王道RPG」という言葉通りのゲームになったかと思います。
いわゆる王道RPGの枠組みを維持しつつ、よく言われているRPGの問題点を削っていった結果がこのゲームでした。
が、とっつきやすさなどの面で色々と妥協している部分があるので、これをさらに突き詰めてゲーム性に特化させると、
・完全フリーシナリオ
・戦闘は1人or少ないコマンド数でパーティ全体の行動を制御できるシステム
・レベル制の廃止、より戦略性の高い成長システムの導入
・日数制限などのローグライクに近いゲーム性の導入
みたいな方向へ向かっていくのかなと思います。
名作と言われるゲームはこういうことをとっくの昔にやってるんですよね。頭が下がります。
●今後について
今後についてですが、現実生活がこの春から忙しくなるため(などと書くと年齢がバレそうですが)今のところどうなるか分からないです。
ただ、ゲームを作るのは単純に好きなので、時間と折り合いをつけつつ可能ならば続けて行こうかなぁと思います。
それでは。
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